2011年10月31日月曜日

10月30日    太ったぎん

なぜか千住あたりを歩きたくなり、東武線で鐘ヶ淵へ。隅田川まで歩くと、堤防で3匹の猫に出会った。1匹がきれいなトラ猫で、(だいぶ太いけど)ぎんによく似ていた。ぎんが無事にノラ猫になったら、案外こんなふうになるのかもしれない。
堤防周辺のオジサンたちにエサをもらって、暮らしているようだ。かわいがられているらしく、すごく人慣れしている。
ぎんと同じ、えさがほしいのポーズ
トラは私に歩み寄って、ぎんと同じように、伸びをしたり、体を摺り寄せたりしたあと、ゴロンと寝転んでこっちを見た。祖父母の家にいたシャムは決してこういう甘えた仕草をしなかった。東大構内にいた半トラ猫は、伸びはするが転がらなかった。トラ猫は人に媚びるのが上手なのだろうか。

根津神社の茶トラは、転がりも伸びもしないが、写真の撮りやすい場所(ベンチや鳥居の礎石の上)に飛び乗ってポーズを取ることでエサをもらっていた。プロの野良猫だった。

ほかには四つ眼猫と黒猫がいたが、トラほど人慣れしておらず、関心は示すが私との距離は保ったまま。トラがエサをもらって私に悪意がないと分かったら、おこぼれにあずかろうという考えらしい。


※堤防から帰ったら午後6時前。ぎんを7時までに医者に連れて行かなければならなかった。だがキャリーを見ると逃げ回ってどうしても捕まらなかった。捕まえようとすると本気で逃げるので、また膝が外れそうになった。オモチャで誘ったりいろいろ試みたがダメ。30分以上追い回したあと、諦めたと見せかけて油断させ、ようやく捕らえてキャリーに入れた。出せ出せ!と騒ぐかと思ったら、悲しそうな声で鳴く。どうして騙してまで私を捕まえるのか…と。エレベーターで1階まで降りたが、弱々しい鳴き声を聞いていると、もう前に進めなくなった。ロビーから医者に電話して「ここんとこ何度も連れて行ったから警戒している。1時間近く追い回したが捕まらない。薬だけほしい」と嘘をついた。自転車をこいで薬だけをもらいに行ったら待合室はしつけの悪いイヌでいっぱい。やっぱり連れて来なくてよかったと思った。

2011年10月28日金曜日

10月28日      ぎん様


最近は、電子レンジの上での滞在時間が長くなった。寝ていることもある。ちょっかいをだして起こすと、こんな風に見下ろされる。けっこう怖い。

※昨夜は、ニャンともで柔らかめのうんち。少しペレットに血がついていた。薬はちゃんと食べた。

2011年10月27日木曜日

10月27日    記者向きかも


京都から帰ってきて、カバンを降ろすとさっそく、ぎんの持ち物検査が始まった。テリトリー内に自分の把握していないものが存在していることが許せないようだ。なんでも調べに来る。しかもしつこい。

書類を出して、コンビニ袋に入れた着替えの下着類を出して見せてやっても、まだ納得しない。本当にカバンが空っぽかどうか疑って、ごそごそと中味確認している。


※きょうは、薬をすべてを問題なくぺろっと平らげた。そのあとウンチした。形はあるが濡れていてバナナ型。爪2本切ってブラッシング。

2011年10月26日水曜日

10月26日     私の重要度がアップ

無言でエサを求めるぎん。倒れたゴミ箱はぎん
仕業。ソファに散乱した洗濯物は私の仕業。

しばらく妻が出張。私とぎんの2人きりの甘い生活がスタートした。

きょうから朝夜のエサを与えて、アレルギーの薬も飲ませなければならない。

朝、私が起きると、ぎんはすぐに私の布団にやってきた。そして中央に転がると目を閉じてスヤスヤ。これはただ寝ているのではなく、エサをなるべく早く沢山ちょうだい…という猫語ボディーランゲージ。

ふだん私にはあまり見せない行動だ。恐るべきことに、状況を飲み込んで、きょうからは妻ではなく私に訴える必要があることを理解しているように見える。


※メモ 帰宅が零時前になったので、ぎんはひどく腹を空かせていた。玄関ドアを開けるとすぐ、ニャアニャアと鳴きはじめた。ウンチは既にシステムトイレにしてあった。ステロイド剤をペースト状フードに混ぜて与えたが、小さな薬の破片だけ巧みに選り分けて残した。ペーストを追加してぜんぶ食べさせた。

2011年10月25日火曜日

10月24日     阿闍梨餅が人気


うちに帰って玄関のドアを開けると、早朝からの出張に備えてすでに寝ているはずの妻が寝室前の廊下に立っていた。リビングの方でドスンという音がしたから見に行こうとしていたところだという。

行ってみると、キッチンのゴミ箱が倒れて、ぎんが内容物を嗅ぎまわっていた。写真で嗅いでいるのは阿闍梨餅の袋。意外にも、ああいう餅のようなパンのような食べ物が好きだ。甘いものも好きだ。

きょうは特別に腹が減っているようで、叱りつけても、しつこく何度もゴミ箱を襲う。ぎん除けに、キムチの空きボトルをゴミ箱に捨てておいたのに。キムチも効かなくなったのか、とボトルを鼻の頭にくっつけようとしたら必死にかわしていた。

2011年10月21日金曜日

10月20日      あっちに住みたい


きょうも朝からバルコニーの外を眺めている。
どうもこのところ特定の方向ばかり熱心に見ているようだ…と思ったら、隣駅近くに建設中のタワーマンションのようだ。

あっちがええなあ。

と背中が語っている。。。。そりゃええんちゃうか。きっとここより安くて広いしな。タワーやったら眺めもええやろ。このマンションに引っ越したときから建設計画はあったけど、いつ引っ越せるかわからんもんは待てんやろ。そやろ? それに地震がきたらすごい揺れるぞ~。おまえ苦手やろ?

と、猫を相手に真剣になってみても空しい。
クレーンの背が高くなってきたから、バルコニーの手すりから飛び出してよく見えるのだろう。それに工事中の音もするし。

とはいってもやっぱり腹立つなあ。おまえのトイレや遊び道具を優先してるから台無しやけどな、インテリアにも気い遣ってんねんぞ。ちょっとぐらい部屋の中も見たらどや。

2011年10月18日火曜日

10月16日    シャー!ハーッ!



エリザベスカラーをつけられたまま、緊張
した表情でダニ・細菌検査の結果を待つ

耳垢がとてもひどいので、久しぶりに病院に行った。

これまで見てもらった獣医は耳垢にあまり関心がないように見える。「そうですか大変ですね、薬塗っときましょ」ていう感じ。

いつも熱心に耳掃除をしているので、病院に連れて行くときは、きれいな状態のことが多い。だから理解できないのかもしれない。いくら口頭で的確に説明しても、所詮私たちのことを素人だとしか思っていないから信じてもらえないのだ。

だからきょうは、汚い状態を見せるために耳掃除を控えて連れて行った。しかも日曜日だから店長先生は休みで、違う医師が見てくれる。新しい展開を期待できるというものだ。

若い医師だった。耳に触れると「触っただけで熱いですね」と驚いた様子。いい感じだ。次に綿棒で耳を撫でて「すごい耳垢ですね」とまた驚く。だからそう言っていたんだが…。その次がいけない。「とにかくダニ・細菌検査しましょう」と言い出した。前にもやった検査だが、状況が進んだのでもう一度やりたいらしい。

結果が出るまで20分ほど待つハメに。「まあ新しい展開のためだ」と我慢して待ったのに、結論は大して変わらなかった。いや。より悪くなった。結局、細菌かどうか良く分からないので、とにかく前より強いステロイド剤を使おうという提案だった。あーあ。

しかも、一番いいのは皮膚生検だと勧める。そのうえ、薄い耳から検体を取ると穴が開くかもしれないので、目の上のマロハゲの部分から取ろうという。あーあ。

挙句の果ては、免疫抑制剤を一生飲ませることになるかもしれない、とまで言われてすっかり陰鬱な気分になった。細菌検査の結果をろくに説明もできない医師が、免疫抑制剤を一生飲ますなんて軽々しく言うなよな~と思った。しかも免疫抑制剤はシクロスポリンだという。FK506はだめなんですか。

医者の話を聞いて「自分で治してやるしかない」とますます覚悟が深まった。その点では良かったのかもしれない。ドイツ製のエサでは解決しなかったので、苦手な掃除をまめにしてみるしかないか…。今回は妻が払ったので診療費用がわからない。いくらだったか聞きたくないなあ。

2011年10月16日日曜日

10月16日     かわいそうな猫



えさがほしいのポーズ
 
秋。ぎんの食欲が大きく増した。標準量のカリカリをすぐに平らげて、空っぽの皿を何度ものぞきに行く。

腹が減ると、こちらの脚に体をこすりつけながら、目の前を何度か往復し、急に、ごろんと寝転ぶ。勢いがよすぎて「ドス」と音がすることもある。そして、くりくりと見開いた目でこっちを見上げて甘えたポーズをとる。

こうすると、頭や首を撫でてもらえるという成功体験があるからか、エサがほしいときもこの悩殺ポーズを繰り出すようになった。実際、非常に抗し難いものがある。

仕事をしていると、妻からメールがきた。「ごめん。ぎんが何べんも何べんもスリスリ、ゴロンを繰り返すから、かわいそうな象みたいで耐えられず、エサを繰り上げてやってしまった」。なんてことをしてくれたのか。

エサを一度にやるとすぐに食べてしまうので、夜のエサは妻と私で2回に分けて半分ずつ与えることにしていた。2度目のエサは私が深夜に帰宅したとき与えるはずだ。それをやってしまったという。私の与えるエサがないということは、私が帰宅後にスリスリ、ゴロンを何度も見せられて、挙句に眠っていると足を噛まれる、ということになる。かわいそうな夫。

2011年10月15日土曜日

10月15日    猫ケージにおける対称性の破れの発見

お気に入りのネズミの玩具がケージの下に入ってしまい困っているようだったので、ケージを移動させたらオモチャの塊!が出てきた。

ネズミのほかに、ペットボトルの蓋5個、パン袋を縛る針金2本、ビニール製のカエル1匹、IKEAのプラスチックのクリップ1個、丸めた広告1個、ついでにウンベラータの鉢に敷いてあるバークチップ1個。

オモチャがケージの下に入るたびに、ぎんは腹ばいで前足を突っ込んで取り戻そうと頑張る。だが逆に奥に押し込むばかり。とはいえ、ここまで溜まるとは。掃除のときはちゃんとケージを前後左右にずらして掃除機をかけていたのに。

ケージを十分動かしたつもりでも、1度も露出しない部分があるのだろう。露出部分に転がったオモチャは掃除で取り除かれるが、露出しない範囲に入ったオモチャは取り除かれずとどまる。いったんオモチャが溜まり始めると、それが障害物となって、後から来るオモチャを止める確立が上がる。だから蓄積が加速されたのだろう。

もっとも興味深いのは、おもちゃの集積場所が、ケージ中央からかなりズレた場所だったということ。ケージの作りは前後も左右も対称なのに、明らかに対称性が破れている。リビングルームの大局的な対称性の破れが、何らかの力を及ぼしてケージの動きという局所的な対称性に影響したのではないか、というのがいまのところの有力な見方だ。

2011年10月14日金曜日

10月13日    非常に分かりやすい話

  帰宅の地下鉄。ピリッとせず、かといってオタクにもなりきれないサエない若者が、同年輩の同僚女子に情報技術者の資格試験について熱弁を振るっていた。
 「表計算問題が簡単」という話を、ひとつの駅ごとに繰り返す。つまり2分間隔だ。繰り返し説明しても女の子がピンとこないようなので、何度目かの話の後に彼は付け加えた。「おれがぶっつけでやっても全部解けたから」と。非常に説得力のある例示だった。そんなに簡単だったのか! 恐らく車両に乗っていた全員が納得したはずだ。でも新たに疑問も生まれた。そんな試験で意味あるのかな…。

 前置きが長くなったけれど、ぎんのウンチに昨日、今日と2日連続で血がついていなかった。硬さもちょうどいいぐらい。ほっとしたが、耳垢は依然としてひどいまま。

2011年10月11日火曜日

10月11日    パトロール中止

最近はパトロールがほとんどない。
  
 
 前に書いたと思うが、ぎんは暇があると部屋じゅうをぐるぐるパトロールして歩く。ほぼ決まった何種類かの8の字形のルートがあって、そこを繰り返し辿っていく。本当のところは分からないが、エサや侵入者を見つけるための縄張りのパトロールだ、ということにしている。
 
 それが最近はパトロールしなくなった。暇があったら、遊びをねだるか、窓から外を眺めているか、物置部屋のタオルケットで寝ているか、どれか。たまにリビングを1周ぐらいならするけれど、そのときも以前のような厳しい表情ではない。
 
 パトロールも性行動の一種で、避妊手術が関係しているのだろうか。

※さきほどゆるいウンチをしたが、一部に血が混じっていた。混じっていたというより、わりと新鮮な血を含んだ粘液がフンの外にへばりついていた。

2011年10月10日月曜日

10月10日    トランスレーション・インポッシブル


何か用があるようだが、それが何だ
 かない。ていうか、マナイタ踏まないで。

ぎんがこちらを見ながら、歯をむいてニャニャニャと鳴いた。歯を見せて鳴くときは何かを訴えてるはずだ。だが何が望みなのか分からない。エサを食べた直後だから空腹ではないはず。

●遊びたいときは脚か背中を2回たたく
●ウンチの前には部屋じゅうを走り回る

のように、行動を見て欲求が理解できるようになった例がわずかながらあるが、ほとんどは謎のままだ。よっぽどのことがないと体調が悪いのか良いのかさえも分からない。

しゃべれたら楽やのになあ…とこぼしたら、「ろくなこと言わんかもよ」と妻。「触んなボケ~気色悪いんじゃ! とか、あ~うんこ出るわ~ とか、寝とんや邪魔すな! とか言うかもよ」。無意識に自身を投影しているのだろうか…。それとも、もっと明らかな私への警告だろうか…。

2011年10月7日金曜日

10月6日     デブ猫への扉

キッチンの床をあさる
エサを食べ過ぎて困る。前は標準量のエサを約12時間かけて食べていたが、最近で2、3時間で平らげてしまう。

それだけなら何の問題もないのだ。平らげたあと約10分おきぐらいに空のエサ皿をのぞきに来る。いや、それだけでも問題はない。問題は鼻をカーペットに押しつけて、落ちている細かな有機物を探しはじめること。掃除機みたいに。少しでも食べられそうなものが見つかると、ピチャピチャと大きな音をたてて舐める。そしてキッチンカウンターに登って食洗機に入れる前に下洗いしておいた食器までなめ回す。
ゴミ箱をあさる

あるいはテレビの上に上ってヤシの葉をかじる。 あるいは宅配業者が持ってきたプチプチをかじる。あるいはゴミ箱を倒して中を探る……。普通のえさの何倍も払ってアレルギー物質の少ないエサを与えているのに、あれやこれや拾い食いされたら水の泡だ。

食器を舐める



そして運動せずに寝てしまう。「ふあ~」。

2011年10月5日水曜日

10月5日    たぶん、白馬の王子様こないよ


 
 リビングルームに飽きたのか、窓から外を見ていることが多くなった。
仕事に行くとき、リビングを出て振り返ると、これまではドアのすぐ下まで追いかけて来て、ガラス越しに名残惜しそうな表情をみせてくれるのが当たり前だった。だが最近は、こうしやって背を向けて窓の外を眺めていることが多い。

  「行ってきます!ぎん!」とデカい声で呼びかけると、面倒くさそうに振り返るが、またすぐ窓の外の景色に心が吸い込まれていく。
バルコニーの手すりが邪魔になってほとんど街並みは見えないはずなので、「外の景色を眺めている」のではなく、あくまで「窓の外を見ている」なのだが、いったい何を見ているのだろう。健康になって運動量が増えたから、もっと広い場所を駆け回りたいのだろうか。

10月5日   ベンガルの尾のしだり尾の(中略しまして)ひとりかも寝む

ノーベル賞などあって更新頻度が落ちていたので、ちょっとペースをあげていこう。

ぎんは、ゆっくり休みたいとき、リビングを抜け出て物置部屋に行く。でも、その床は竹を編んだカーペットなので、夏は涼しいけれど今は少し寒い。だから未明になると、私のふとんにすべり込んで来ていた。

昼も寒そうにしているので、見かねて物置部屋にタオルケットを敷いてやった。ものすごく気持ちよさそうにしているが、朝まで物置で寝るようになり、私の布団には来なくなってしまった。べつに私の横で寝たかったわけではなくて布団が好きだったわけだ。そんなことは分かっていたけど。

きょうも来ないだろうなあ…

※もしもこれを誰かが読んで疑問が残るといけないので書き添えると、妻はベッドルームのふかふか大型ベッドで1人、縦になったり横になったり大の字になったりしながら寝ています。最近は寝相を見られるのがイヤなのかカギをかけているようです。

2011年10月4日火曜日

10月4日   渡る世間は鬼ばかり

道端に屈んでこんな写真を撮ってる私は怪しいオジサンか。

 久しぶりに黒猫を発見。1ヶ月ぶりぐらい。過去に目撃した場所と近いのでたぶん本ニャンではないか。少し太った気がするが、悲しいことに特にノラの子猫はまたたく間に変貌してしまうものだ。

 太っているので、どこかで餌をもらってのんびり暮らしているのかと思ったら、左耳の先が痛々しく欠けている。誰かにつかまって避妊手術をされてしまったのだろうか。ノラの暮らしも楽じゃないなあ。

 ノラにしてみれば、リスクの高い生活してるんだからせめてほっといてくれ、と言いたいところだろう。けど、そういうトレードオフみたいなことさえ成り立たず、どっちも失うしかない。「本来いてはいけないところにいる動物」という前提を置かれてしまっているからだ。この勝手な前提がうしろめたくて、せっせとエサを運ぶ猫オジサンや猫オバサンもいるけど、猫の損失を補填するところまではなかなかいかない。

 まだ耳が欠けていないころは、人の後をコソコソつけて様子を見るという好奇心も見せたが、いまはすっかり一人前の野良猫となってしまい、どう近づいても逃げてしまう。怖かったんだろうなあ…。