2011年11月9日水曜日

11月9日     わたし しょうきにもどったからら~


なに、おばはんが行方不明?
 仕事を休んだので、ぎんと1日のんびりしていた。とはいえ、ぎんのねぐらになっている物置部屋を革命的に片付けたので、夜になるとちょっと疲れていた。

あとはちょっと早めに寝るだけだと思っていたら大変なことが。妻から意味不明の電話。新橋、有楽町、浜松町、池袋という地名がほぼ脈絡がなく出てくるが、意味が通らない。どうやら山手線に乗っているらしい。しかも本来とは逆向きに。口調からして泥酔しているようだ。

わたしは「山手線か?そのまま乗っとき。時間かかるけどいずれつくから」とアドバイスしたが、聞いているのか聞いていないのか「逆向きやて言うてるわー」という声が聞こえて通話が途絶えた。どうやら泥酔仲間がいるらしい。じたばたしてもしかたがないけど、駅までぐらいは保護しに行かないと商店街のベンチで寝てしまうかもしれない。

奇々怪々な電話からいろいろ推測し、妻の乗っている電車を3本にまで絞り、30分ほどして電車がつくころ改札に迎えに行った。でも出てこない。30分待ってみたが出てこない。電話を何度か掛けてみても留守番電話。どうしようか、どうしようもない。もしかしたら地下鉄にのりかえて今頃リビングの床でいびきをかいているかもしれない…。とりあえずいちど家に帰ってみることにした。

ほとんど家に帰りつこうとしたころ携帯が鳴った。妻だった。なぜか番号非通知の着信だ。どこにいるのか?と聞くと「あきはばら~。なんでやろ~」と楽しそうだ。なんでって、あんた、居眠りでもしながら山手線を周回してたからやろが。「ホームに人が待ってるし電車あるやろ~。あ~。赤羽行き最終が遅れてるいうてるわ~。まだ電車あるで~」という。放っておいたら今度は京浜東北に乗って赤羽に行くつもりらしい。もう山手線は終わったし、迎えに行くから中央改札を出て待ってなさい、というと「はいっ」と妙に素直な返事。なぜか「は~い」じゃなくて歯切れが良い。酔っぱらいは不思議だ。

駅に戻ってタクシーに乗ろうとしていたら再び電話。「わたし正気にもどったし~。たくしー乗り場あるし~。帰れると思うで~」という。ちょっと待て。「思う」というのは、もしかして帰れんかも知れんということか! 本当に大丈夫か?と念を押すと「だいじょうぶ~正気にもどったし」と繰り返す。と同時に「ほにゃほにゃお願いします」と誰かに話しかけるような声がして通話が切れた。なに?おまえ既にタクシー乗ってたんかい! 念のため「橋を渡って2つ目の信号で止めてもらいなさい。そこのファミマで待ってる」とメールをしておいた。

深夜は車の流れが速い。20分もすると、酔っぱらいを乗せたタクシーがファミマ前に到着した。財布を覗き込んでもたもた料金を払ってる。足取りはそれほど危なくないが、放っておくと道の真ん中を歩くので、手を引いて連れて帰った。エレベーターを下りて玄関前のポーチに立つと、突然くるっと振り返って腕を突き上げて夜空を指さした。どうしたん?と聞くと「雲がきれいや~」。それはいいけど危ないから手すりに近寄ったらあかんで、と注意すると「はいっ!」。あ~あ疲れた。

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