2010年9月21日火曜日

9月5日 迎えに行く

 昼ごろに行く予定だったが、午後遅くなってペット屋に向かう。もうショーゲージには入れられておらず、奥で“帰宅”を待っていたらしい。店員のおねえさんがしょぼいベンガルを抱きかかえて店の奥から現れてた。「耳掃除と爪切りはやっておきました」といいながらテーブルに置く。そのネコは、おとなしく背中を丸めて「お座り」したまま辺りを見回している。ときどき私の顔を見上げたりする。鳴かない。静かにキョロキョロしているだけだ。

 ネコの運動能力をもってすれば逃げ出せるチャンスだらけなのに、どうして座ったままなのだろう。ここにいるのが一番いいと彼女も思っているんだろうか。とにかくおとなしい。おねえさんがネコを抱き上げたので、その手をとって肉球と指を押して爪をむき出しにしてみてたが、やはり黙って知らん顔している。これなら爪が切り放題だ…と内心喜んだ。

 連れて帰るための書類を書き終わると、段ボール箱キャリーが用意された。中に入れられたベンガルは初めてミャッと声をあげた。ふたをすると中は真っ暗。箱の天井と壁には1円玉ほどの通気孔が何カ所か型押ししてある。指で押すと簡単に穴があく仕組みだが、「外が見えると不安がるので開けないほうがいい」とおねえさんが言う。信じてそのままにしておいたが本当だろうか。

 箱を提げて店を出ると、大通りの喧噪の中でも聞こえるぐらいの声で鳴き始めた。タクシーを急いで拾って乗り込んでも鳴き続けた。運転手のオッチャンがかわいそうに思って「箱を開けてもいいよ。逃げても車からは出ないし」と言ってくれた。けど、ブレーキペダルの下に入ってしまったらどうするのだろう。ネコを踏み潰すか暴走するか…そんなことを空想すると怖くて開けられない。30分ほど乗っているうち、だんだん声は小さくなった。マンション前でタクシーを降りてまた箱を提げて歩きだすと、再び訴えるような大声で鳴き始めた。

 昨日準備したケージに入れ、店でもらってきた使用済みトイレ砂をふりかけて様子を見る。どうもネコベッドはつかわないようだ。ネット上のブログではあまり鳴かないとか、猫らしくない変な声とか書かれていたが、いかにもネコっぽい声だ。哀しくなるようなか細い声から、訴えるような大声まで、人の情を巧みに掴むすばらしい声だ。

 まだかなり暑いので、エアコンを除湿-2度に設定して風が直接当たらないモードに。人間にも快適だ。晩御飯は7割ぐらい食べた。環境の激変の中で上出来かな。

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