2011年7月26日火曜日

7月26日(吐)    少しさみしい夢

  ケーブルテレビを見ながらソファーでうとうとしていたら夢を見た。
 何かの拍子に、ぎんが逃げ出してしまった。獣医にでも行く途中でキャリーケージの蓋が開いてしまったというようなことだった気がする。ぎんはこちらを見るばかりで呼んでも戻って来ず、捕まえようとするとぴょんと跳ねて建物の陰に消えてしまった。

  何時間も待ったが戻ってこなかった。腹がへって鳴きながら私を探しているのではないかと思って、次の日も、その次の日も、同じ場所に出かけて待ってみたが見つからなかった。
 
 胃が弱くてカニカマを食いちぎれない猫だ。野良として生きていけるわけがない。1ヶ月ぐらいたったか。もう、どこかで死んでしまったのだと諦めがつきかけたときだった。よく思い出せないが区役所に用事でもあったのだろう。普段は行かない区立公園の前を通りかかると、子どもたちのはしゃぐ声が聞こえた。「トラがいる!トラがいる!」。はっとした。ぎんのことに間違いないと思った。トラ猫なんていくらでもいるのに。そう直感した。

 声の方へ走っていくと、ねずみ色で斑模様のベンガル猫が塀の上から子どもたちを見下ろしていた。ぎんだ。猫おじさんが置いて行った餌を食べに下りたいが、子どもたちがちょっかいを出すので怒っているのだった。「怖がってるやろ、あっちいって遊んでなさい」。子どもたちを追い払うと、ベンガル猫は塀から、すとんと飛び降りてきた。私の足元で餌皿のにおいをかぐ様子は間違いなくぎんだった。背中のICを読み取らなくても確信があった。

 ぎんはひと回り大きくなり、折れそうだった脚にも少し筋肉がついたように見えた。ほかの猫たちも集まってきて四方から皿に首を突っ込み、餌の奪い合いになった。負けずに餌を平らげたぎんは満足気に立ち去ろうとした。「ぎん!」。私が名前を呼ぶと立ち止まって振り向いたが、「ニャア」と一度鳴いて跳ねるようにツツジの植え込みに消えていった。

 帰り道、「猫連れ戻します」というペット探偵のチラシが電柱に張られているのを見つけて電話番号を手帳に控えた。帰宅して妻に話すと「でも、今のほう幸せなんかもよ」と言った。そうなのかな、そうかもなあ。ペット探偵どうしようかなあ。また公園に行けば会えるかなあ。と考えているところで目が覚めた。

 
 










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  したい…

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